FL法(中小企業向けトヨタ生産方式)による生産管理 担当 : 若月英司 |
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困りごと |
具体的な解決法or取り組み |
主 な 事 例 |
お客の声 |
①お金をかけずに生産性の向上を 図りたい。
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FL法(モノの流れ・位置管理法:Management of Flow and Location for Product)、通称「 中小企業向けトヨタ生産方式」の導入と現場における指導。
【FL法の内容】 FL法は、多くの中小メーカーの工場改善にトヨタ生産方式を適用して得た成果から、中小企業が受け入れやすく、お金をあまり使わずに、生産性を上げ、生産リードタイムを短縮し、しかも管理者の改善力を飛躍的に向上できるように編み出した中小企業向けの生産方式である。 端的にいえば、トヨタ生産方式の用語や手法にあまりこだわらず、生産リードタイムを半年間で半減し、かつ生産性を25%以上向上させるという2つの目標を決め、この目標達成に挑戦していくものである。そして、このプロセスを通じて、改善力ある人づくりを行うものである。 FL法では、お金をかけずに、頭と足を使って改善を行っていく。
【FL法の強み】 FL法は、中小メーカーに適用したトヨタ生産方式である。しかも中小メーカーが容易にトヨタ生産方式の良さを適用できるように、トヨタ生産方式のエッセンスを凝縮している。 Fl法で目標として取り上げている生産性向上と生産リードタイム短縮は二律背反の関係(一方を良くしようとすると、他方が悪くなる)にあり、特に活動の前半でこの傾向が強く、双方の目標を達成するのが難しい。この難しさが改善を学ぶ場として適している。
【FL法の効用が出る内容】 モノづくりは、モノの流れを早くすることによって利益を創出する。モノの流れは加工時間と停滞時間で決まる。通常、停滞時間は加工時間の10倍以上長くなる。 FL法は、モノの流れが停滞する場所、すなわち停滞する位置を明確にし、この位置に置かれたモノを早く移動するように、トヨタ生産方式のエッセンスを駆使する。すなわち原材料、仕掛品、製品の流れを早くするように管理する。 モノの流れを早くすることによって、今まで滞留していたモノの陰に隠れていた問題点が現れてくるので、問題点解決も早くなり、生産性向上も加速する。 |
アルミ素材加工メーカーM社(従業員50人)は生産性を1年間で25%上げようと、自分たちでトライしてみたが上手くいかなかった。FL法を導入し目標に挑戦。11ヶ月間で生産性33%向上、生産リードタイム半減を実現。 |
FL法の導入・改善活動が生産性の向上と管理者たちの意識の変化を起こしてくれた。 |
制御盤組立の中小メーカーK社では、組立1・2、検査、梱包の各工程間に仕掛品が多く、生産リードタイムは40分/個かかっていた。FL法を導入し、様々な改善と1個流しに生産方式を変更。生産リードタイムは7分30秒に短縮。 |
1人・1個ずつ全工程作業することにより、工程間の能力のアンバランスによるムダが除かれて生産性が大幅に上がった。 |
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建築用扉メーカーT社N工場では、1セットの扉部品製造・組立のリードタイムは5日上かかっていた。FL法を導入し、様々な改善と組立の1個流し方式でリードタイムは2日に短縮。 生産性も30%向上した。 |
従来の作り方だと5日かかっていたのが、小ロット化、部品のセット化、1個流しで2日で出来るようになり、生産性も30%向上。 |
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段ボールメーカーR社(40名)の主要顧客は午後3時までの発注は翌日午後5時入荷を要求。1500品種のうち800品種は製品在庫でやり繰り。FL法を導入し100%直注生産方式の仕組みに変更したところ、製品倉庫は不要となり、4人の省力化ができた。 |
100%直注方式に変えることで在庫の補充や保管などの煩わしい作業が不要となった。4人省人化。 |
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発泡スチロールメーカーI社N工場(28名)では、付加価値生産高4,235円/人・時、製品在庫金額5,200万円であった。FL法を導入し、作業改善により成形サイクルを短縮した結果、付加価値生産性は26%向上、製品在庫金額を2,480万円に削減できた。 |
作業改善により大幅に時間あたりの作業工数が削減され、現有人員で作業すべて賄ったことが大きな経済効果をもたらした。 |
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コネクター端子メーカーE社G工場(50名)では、付加価値生産高6,579円/人・時、生産リードタイムはA製品10日、B製品6日であった。FL法を導入し、様々な改善と不良を減少。 付加価値生産高8,338円、生産リードタイムはA製品6日、B製品3日に短縮。 |
改善メンバーは日常作業以外に無駄削減、不良低減に目を向け、自発的に行動を起こすようになった。 |
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②お金をかけずに納期遅延を改善したい。 |
精密機械加工のS社E工場(従業員35人)では、月当たり1200件受注に対し、50件の納期遅延が発生していた。 Fl法による生産管理導入により、納期遅延は3件と大幅に減少し、顧客の信頼回復と同時に、生産性が12%向上。 |
FL法を導入し、「モノの流れを早くする」生産方式に変更することで納期遅延は3件に激減。 |
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③お金をかけずに管理者の改善力を飛躍的に向上させたい。 |
金属プレス加工メーカーA社では、段取り替え時間50分/回で生産ロットが大きく、仕掛品も多かった。FL法を導入、管理者5名による一日改善会を実施。段取り替え方法の改善、助け合い等の実施によって15分55秒に短縮。 |
Fl法の一日改善会は、会社の中心である管理者達に大きな問題を一日で改善できる力をつけてくれた。 |